2009年9月8日火曜日

コンセンサスゲーム【mixbeat改】、会議においていかにより良い合意形成を図るか

一昨日は事務局として参加させてもらっている、mixbeatの第三回ワークショップの日でした。

私塾mixbeat、2期生募集のお知らせ

今回はワークショップの内容もさることながら、担当事務局としてもすごくいい経験をさせてもらった回でした。


■ 今回のワークショップテーマについて

mixbeatのワークショップは、本当にテーマと目的決めに時間を掛けます。
それはただ、当番が本当にやりたいことを追及するだけでなく、休日を割いて出てくる他の塾生に持ち帰ってもらえるものは何か、単なる自己啓発モノになってないか、そもそも実現可能なモノなのか、これらを踏まえた上で考え抜いたものです。

七転八倒して出てきたものは、以下のもの。
【テーマ】
会議や打ち合わせにおいて、最適な結論を出すにはどうしたらいいか?

【手段】
コンセンサスゲーム【mixbeat改】

【目的】
① 自分以外のいろんな視点があることを体感する
② 会議中の自分の振る舞いを知ることで、より有意義な会議への参加ができるようになる


もともとは当番の「ニュートラルなモノの見方・考え方ができるようになりたい」「できるだけ、いろんな視点で考えられるようになりたい」という話から始まったものでした。
これに「複数の人との会議において、いかにいいアウトプットをするか」という話があり、そのためには会議においての自分自身の振る舞いを知ることが大事だと考え、今回のテーマ、目的、手段に至りました。


■ コンセンサスゲームについて

コンセンサスゲームは事務局のウラさんが1期生の時に、第11回のワークショップとしてどうか、と持ってきてくれたものです。
結局、その時は違うテーマをやることになり(しかも、失敗して当日急遽、ワークショップの作り方を考えることになったけど)使わなかったのですが、当番の「ディスカッション、話し合いを重視したい!」という話を聞いた時、それならと思い出したのでしたモノ。

もともとのコンセンサスゲームのルールは、こんな感じです。
あるシチュエーション(砂漠で遭難)において、必要なものの優先順位をつけるというのがお題としてあります。
これを最初、個人で行い、その後、チームでの話し合いによって、グループの結論を出します。最後に正解との点数差を個人、チームで見ることにより、合意形成の効果を見ます。

その時も調べたのですが、コンセンサスゲームは、グループで話し合うことによる結果は、個人で考えたものより、より正解に近くなるということを経験し、ひとりよりチームでのパフォーマンス最大化を目指す、合意形成の重要さを学ぶものです。
この合意形成したほうが回答に近づくというのは、塾長も指摘しているように、僕も当初は「集合知」を信じすぎてるなと思ってました。

また、このゲームを調べている人は、結構いるようで、主に研修などで使われている様子。
もともとの出典はかなり古く、社会心理学者のジェイ・ホールという人が考えたテストらしく、テスト結果はPsychology Today 1971年11月号に発表されたもので、そこから1976年に出版された「会議が絶対うまくいく法」という本によって、ひろまったようです。
有名なお題としては2つ、「NASA編」「砂漠編」があるのですが、それ以外でのお題を探している人が多かったようです。(Yahoo!Q&Aで聞いてたり、検索ワードで「コンセンサスゲーム お題」というのが見られた)


■ ワークショップに取り入れるには

他の方が実際にやった結果のブログを見る限り、ゲーム自体の採点はするものの、その合意形成の過程をきちんと振り返れるような仕組みがありませんでした。
また、当番の意向もその振り返りを重視したものだったため、そこを踏まえてmixbeat改良版を作ることに。

【改良版として、アレンジされた部分】
・オリジナルのお題を用意
・話し合いの参加者を記録する
・全体の進行を記録する(話の山場や、決め手となったところなど)
・発言回数を記録する
・ビデオで撮影しておき、振りかえり時に全員で見直す
・採点において、正解順位との差(絶対値)を見るのではなく、順位に基づいた項目数を見るようにする
・参加者同士で話し合いにおける貢献度を点数化


【会場見取り図】












参加者1人につき1人の記録者が付き、参加者の行動をつぶさにチェック。個人テストで回答した結果と照らし合わせながら、参加者の考え方や話し合いでの振る舞いを観察。これは自分以外のいろいろな視点があることを体感すると同時に、参加者は記録者からのフィードバックをもらえるという、両方のメリットがあります。


【検証事項とワークショップとしての狙い】
・お題は2通りの方法(データから作る、参加メンバーに関係のあるもので作る)をやってみることにより、違いを検証
・本当にチームで決めたことは、個人で考えたものより正解に近づくのか?
・今回の改良版をマニュアル化することにより、他にやろうとしている人にも役立てるようにする
・同時に昨年のディベートの回では実現できなかった、外部の人の巻き込みを狙う(一緒にこのゲームに参加してくれる人を募集)


■ 当日の流れ

1.今回の趣旨とスケジュールを説明















2.ゲームの説明















3.ゲーム1回目




























お題:「各都道府県の一人当たりのアルコール消費量は?」
47都道府県のうち、塾生の出身地から10を選択肢として挙げ、その中での順位を答えてもらいます。


4.ゲーム2回目




























お題:「mixbeatをやっていく上で塾長が大事に思っていることは?」
この塾の主催者、河野さんが大事に思っていることを当番が10個用意し、そこから選んでもらい、その順位を答えてもらいます。


5.エキシビジョンマッチ(ゲーム3回目)














これは事務局側もやってみて、塾生に手本を見せましょうという、ちょっとしたお楽しみとして用意されました。
気になるお題は、「mixbeatをやっていく上で二期生が大事に思っていることは?」
これは事前に、ゲーム2回目の項目を宿題として各塾生にやってもらい、その中からランダムで引いた誰かの回答を、事務局が考えるというものです。
つまり、事務局にとっては、その塾生がどういう性格で、何を大事にしているかをわかってないと正解から大きく外れるという、ディスカッションのお手本を見せるということと、塾生のことがわかっているかどうかという、ダブルでハードルの高いゲームとなりました。。。


■ ゲームの流れ

●個人でのテスト
●各自、自分の意見をまとめた上で、チームメンバーでディスカッション、チームとしての答えを出す
●振り返り
 ・正解発表
 ・個人点、チーム点、発言回数発表
 ・記録者から参加者へのフィードバック
 ・話し合い全体の流れを発表、映像を見ながら参加者・記録者を交えての感想

実際のゲーム内容は当番が活動報告ブログに、ルールはマニュアル化して、今週末でも公開してくれると思いますので、そちらを参照してもらえれば、具体的な雰囲気や進め方がわかってもらえるかと思います。

mixbeat 活動報告ブログ


■ ゲームを終えて

まず、お題についてですが、データを用いるやり方は参加者の関与が薄いため、当事者意識が薄れて、当てモノっぽくなってしまい、合意形成しづらかったです。
一応、上記のことは準備段階においても考えていましたので、塾生の出身地にすることで、少しでも回答しやすいようにしてみたのですが、やはり難しかったですね。

次にチームでの合意形成は、個人で考えたものより正解に近づくのかという点。
これはサンプルが3つしかないのですが、データを元にしたお題の場合も含めて、だいたいそうなってました。参加者の最高点がチームを上回ったことはありましたが、わずか1点だけでした。

ただこれは、正解を当てるのがゴールではなく、その答えに行きついた考え方を互いに共有することによって、チームメンバーが納得した上での答えを出す、合意形成することを学ぶのが大事なワケです。

また、通常のコンセンサスゲームからの改良部分が、当番の狙いどおり効果を発揮できていたと思います。
映像という絶対的なものと、人からの観察という具体的な指摘、これほど客観的に自分を見られる方法はないでしょう。
さらに、参加者同士の貢献度の点数化の効果が、自分を入れた相対評価もあるワケです。
僕自身が参加者となったエキシビジョンマッチでは、グゥの音も出ないほどの評価がわかり、気付いていた悪いクセも本当に直さなくては!と思いました。。。

さて、無事にワークショップを終えて、塾長や塾生からも好評で、ホッとしたいところですが、当番は外に向けて公開するために、今回の改良版をマニュアル化する作業が残っています。
同時に、僕には今回のワークショップ実施準備までの流れにおいて、どのタイミングで何を話し合い、どういったスケジュールで進んだのか、当番と担当事務局とのやりとり、塾長との報告・連絡・相談は、どのように進められたのかを、この後の当番に役立つよう整理する必要があります。
これから、メールやSkypeで発言内容を拾っていくことから始めるのですが、これも自分を客観視して、物事の進め方を反省する意味もありますので、最後まで気を抜かずにやりきりたいと思います。

2009年9月2日水曜日

2009年9月1日、今日という日を忘れない

・5年後の自分が見て、カッコいいと思える判断を
・あきらめることができる人(やりたいことではなく、やりたくないことから考える)

2009年9月1日、今日という日を忘れない。